治らない肩こり
2020/02/23| カテゴリー:臨床奮闘日記
またまた久しぶりの奮闘日記です。
先週初めて来院された患者さんの話です。慢性的な肩こりに悩まされていて、どこに行っても治らない・・施術してもらっている時やその日はまだいいのだけれど・・・すぐに戻ってしまう・・・こういう患者さんは実に多いです。
では、そちらにいったら一発で治るのか?「勿論です!」と言いたいところですが、体をよくするというのはそんな簡単な甘いことではありません。まして、どこに行っても治らない・・そういう患者さんを実際拝見してみると、やっぱり大変・・・なかなかうまくいかないということも多いので、大きな口をたたくつもりは毛頭ありません。
そこで、なかなか治らない肩こりの患者さんを診るときは、私はこういうふうに考えている、こういう手順で施術していますという話です。
治らない患者さんに共通しているのは、ほぼ100%猫背。
上のイラストの左の図ですね。背中が丸くなって、頭を前に垂らしているような状態です。頭の重さは約5キロ。5キロのものを吊り下げている姿勢=肩や首が前方に引っ張られているのですから、この状態でいくら肩まわり中心の施術を受けたとしても、それは改善するはずはありません。
筋肉の状態はどうなっているのか?が下のイラスト(左)です。猫背で頭が前のほうに垂れていますので、背中の筋肉(背筋)は常に引っ張られるている=緊張している=背中~肩にはりを感じているという状態です。
肩こりを改善していくには、まずこの構造的な問題を修正して、右側のような状態に戻してあげることが必要ということになります。
かくいう私もその昔、肩こりの患者さんには、肩や首の部分を中心に施術していた時期がありました。
ただ、どうしてもその場限りになってしまう・・患者さんはその場は楽なので、それなりに満足していただけますが(マッサージでもそうですよね。)、「すぐに症状が戻ってしまう」という状況に私としては不満で、「なんとかせねば」と考えているなかで、分かってみれば、なんのことはない、背中を伸ばすと頭の位置が正常な位置戻る(イラスト右の図です)、そうするとそれだけでも(背中の伸ばすだけで、肩はまったく触らないでも)肩こり感が軽くなるという大発見?をしてから肩こりの患者さんを治療するのが半分ぐらい楽になりました。
「ほんと?」と思う方は自分の背中を伸ばすような姿勢してみて、肩の感じをみてみてください。「あれ?少し楽」という方多いと思います。
というわけで、現在のやり方は、まず背中の猫背を減少させるように施術するのが最初、そのあとで、肩や首の局所を治療するというのが手順です。
肩こりは日々の疲れ・ストレス・筋疲労と密接に関係しますので、完全に解消というのは難しいものがありますが、「これぐらいならまあまあ」レベルまで改善させることを最初の目標にして、その後は、1ヶ月に1回ケアで「まあまあ維持」を維持でければいいかなと考えています。