橈骨神経麻痺は骨折や大きな外傷の結果麻痺が起こった場合は別ですが、うたたねなどの自分の体重などで圧迫した発症したケースではまず治る症状と考えて間違いありません。
ではなぜ治らないケースがあるのかといいますと、その麻痺の程度が重く、かつ適切な治療を初期の段階から受けなかったということに尽きると思います。
軽度~中程度ぐらいの橈骨神経麻痺は時間の経過と伴に自然治癒するものもかなりあります。個人のブログなどで「麻痺は必ず治ります」などと無責任なことを書いてるものもありますが、それはその方がたまたま自然治癒できるレベルの麻痺であったから、「治った」のであって、当院には何か月たってもほとんど改善しない、もう2年もたってしまった・・などのご相談や来院される患者様が多くいらっしいます。
残念ながら長期間たっても治らなった橈骨神経麻痺の治癒率は、その程度、発症からどれだけ経過しているかにもよりますが、半数程度の方しか治りません。また、しびれや握力低下、腕の痛みなどの後遺症が残ってしまうことも少なくありません。早い段階で治療を開始すれば、まず治るものが、どんなに治療しても治らないケースに対応しなければならないのは、とても残念ですし、なんでもっと早くという思いを強く感じます。
麻痺を発症した方の考え方、とらえ方もそれぞれでいろいろな方がいらっしいます。あまり深刻に考えない方、楽観的な方、そのうちどうにかなるだろうというような考え方をする方は治療開始が遅れがちですし、心配性の方や西洋医学一辺倒ではない方のほうが、情報を収集し、早い段階で来院される方が多い傾向があります。
つまるところ、その方の考え方がどうするかに反映するのですが、このコラムをお読みになっている方は、以下ように対応されたらいいと思います。
1週間ぐらいは様子を見てもいいと思います。自然に治っていきそうであれば、改善が続く限りは注意深くご自分の症状を観察してください。それで治癒できれば、余計な治療費もかかりませんし、一番いいかもしれません。ただし、途中で改善が止まってしまった、動くようにはなったけれど、手のしびれや痛みがとれないというリスクもあることを忘れないで下さい。
1週間様子をみても、あまり改善の実感がない、あるいは途中まで治ってきたけれど、回復しなくなってきたなどのケースではなるべく早くご連絡いただければと思います。
治療には程度によって数か月~半年、それなりの回数、費用もかかりますが、ご自分の大切な手です。長い目で不利益をこうむらないようにすることが大切だと思います。