橈骨神経麻痺になると、「握力」の低下を伴うことがほとんどですが、橈骨神経麻痺で出来なくなるのは手首や指の伸展の動きで、要するに「伸ばす」という動きができなくなるわけですね。
そこで、あれ?「握力」って握る力じゃないの?と思う方多いと思います。「握る力」であれば、「握る」働きを支配する神経は正中神経。それなのに(伸展)の働き支配をする橈骨神経麻痺でどうして握力が低下するの??と思われるのではないでしょうか?
その答えは均衡にあります。ご自分の手を思いっきり握ってみるとわかりますが、まっすぐの位置で止まるはずです。
この位置で止まること、すなわち図のように曲げる力、伸ばす力の均衡がとれたところ=正中神経と橈骨神経の力が釣り合ったところで初めて力が入る(=握力)ということになります。
「握力」とは握る力だけではないんですね。
綱引きを想像するとわかりやすいと思います。どちらが一
イラストをご覧ください。伸ばす力が橈骨神経、曲げ
橈骨神経が回復してくると、伸ばす力(伸展)が戻ってきますので、伸ばす力と曲げる力が釣り合うようになってきます。そうなると握力が回復してきます。
ただ握力が回復するのは、手首の動きがほとんど回復してからになりますので、施術の最終段階にならないと、握力はなかなか戻りません。逆に、手首の動きが回復してきてさえいれば、いつかは握力も回復してくると言えます。