肩こり
肩こりの原因
肩こりは多くの人が経験するとても一般的な症状ですが、肩こりと一口に言ってもその原因とするところは様々で単に筋疲労からくる肩こり、コンピューターなどの単純作業(OA障害)や目の疲れからくる肩こり、寝不足などの疲れからくるもの、精神的なストレスなどの心理的な面からも肩こりは起こります。
また、骨格的なバランスの崩れから肩に負担がかかり起こっているものや首の筋肉や頚椎に問題があって肩に自覚症状がでているものまでその要因は様々です。
単に筋肉疲労や体の疲れなどから起きている場合は比較的軽度なことが多く、体を休めることで軽減するものが多いのですが、休んでもとれない、寝ても治らない、いつも疲れているなどの状態にある方は、筋疲労の程度も強いことが多く、同時に骨格的なバランスの問題や首の筋肉の問題、頚椎の歪みの問題なども抱えていらっしゃる場合が多いようです
なかなか治らないという場合は、肩だけの症状としてみるのではなく、体のバランスに問題はないか、首の状態はどうかなど、肩以外の可能性を含め、治療を考えていく必要があります。
肩こりは、普段の体の使い方、疲れ方、体調とも密接にかかわりますので、睡眠をよくとる、適度な運動をする、お風呂にゆっくりつかる、仕事の合間にストレッチを心がけるなどご自分での心がけも大切です。
自分で解消できるうちはいいのですが、慢性化してくると、もうどうにもならないぐらいつらくなったり、体全体の疲れ、頭痛、めまい、不眠などの原因にもなりますので、早めに手当てが必要です。
肩こりに関係する筋肉
僧帽筋
肩こりに一番関係の深い筋肉です。
筋肉は何重もの層になっていますが、この僧帽筋は一番表面にあるとても薄い筋肉です。
比較的軽い肩こりの方は、この僧帽筋の緊張をとれば楽になりますが、ひどいこり感がある場合は、もっと深層の筋肉の筋肉までこりがあります。
菱形筋・上後鋸筋
棘上筋・棘下筋・小円筋・大円筋
胸鎖乳突筋
側頭骨や後頭骨から胸骨や鎖骨に付く筋肉です。この筋肉がこると耳の後ろあたりが痛くなったりします。
この筋肉の緊張は耳鳴り、めまいなどとも関係がありません。
首の動きに関係する筋肉ですので、寝違えなどはここの治療が欠かせません。
肩と首の筋肉はつながっていますので、肩こりの治療には首の治療も必要です。
肩こりの治療
体全体が伸びるようにすることが治療のポイント
なかなか治らない、マッサージに行ってもその時はいいけれど、すぐに戻ってしまうような場合、肩まわりを中心に施術をしてもまず治らない、その場限りの慰安的な内容に終わってしまうと思います。
上の図をご覧ください。左側のような姿勢になっている場合がどんなに施術をしても治らない状態と言えます。背中が丸くなり、肩首が前方に垂れてしまっている状態では、治るはずはありません。
しかし、この状態を右の図に近づけるよう治療してあげると、肩首が前方に引っ張られる状態は解消するのですから、その分肩こりの症状は軽くなります。
ですからまず体の状態はどうなっているのかなを全体的に把握する、その上でバランス的な問題が肩こりに影響していそうなら、まずバランスの問題を先に解消する、その上で肩や首周りの局所の問題をよくしてあげる、こういう順序で施術していくことが大事だと考えています。
ただ肩首こりは日々の疲労とも大きな関連があります。施術をしても時間が経てばだんだんと辛くなるのは仕方がない面もあります。
目指すところは、すごく辛いはなくす、以前よりはいいという状態で安定させる、月一ぐらいの施術でまあまあでいられるを目標にします。
マッサージとの違い
当院の治療は、どこにその原因がありそうか、どうしたらその症状がとれるかを第一に考え治療にあたります。痛いところ、つらいところなどの局所だけでなく、体の全体のバランスのなかで個々の症状に対処していくことが当院の治療の基本です。
リラックスしたい、ちょっと肩が張った時のマッサージはとても気持ちのいいものです。しかし、なかなか治らない、すぐにつらくなるのどの症状がある方は、筋肉だけに目を向けるのでなく、骨格的なバランスや頚椎の歪み、首への治療など総合的な治療をお勧めします。
痛みのない、極めてソフトな治療ですので、安心してお越しいただけます。